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和田 晃; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 116(16), p.7065 - 7072, 2002/04
被引用回数:10 パーセンタイル:30.24(Chemistry, Physical)スピン禁制反応 CH(X)+N(X)HCN(X)+N(S) について、量子散乱理論を用いた計算を行った。CH分子を一個の原子とみなすことによって、自由度を3次元に落とした。分子軌道計算を用いて、スピン2重項及び4重項それぞれのポテンシャルエネルギー曲面を作製した。また、スピン軌道相互作用については過去の理論計算を用いた。超球座標を用いた堅密結合方程式を数値的に解いて、総反応確率を計算した。計算された確率は典型的な共鳴構造を示した。得られた確率から反応速度定数を計算し、実験結果と比較したところ、100倍ほど小さな値が得られたが、速度定数はスピン軌道相互作用に大きく依存することがわかった。
高柳 敏幸; 黒崎 譲; 市原 晃
Journal of Chemical Physics, 112(6), p.2615 - 2622, 2000/02
被引用回数:62 パーセンタイル:86.41(Chemistry, Physical)非断熱遷移を伴う(D+H)イオン分子反応について3次元量子散乱計算を行った。超球座標を使った時間に依存しないclose-coupling法を用いた。ポテンシャルエネルギー曲面として(33)のDIMポテンシャルを使った。正確な量子論の計算結果を半古典的なトラジェクトリホッピングの結果と比較した。その結果Tullyによって提唱されている方法のほうが従来から使われているTully-Prestonの方法よりも量子論の結果をよく再現することがわかった。これはTully-Prestonの方法が、ポテンシャルの交差付近でのみの電子遷移しか考慮していないことが原因である。
高柳 敏幸
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 68(9), p.2527 - 2532, 1995/00
被引用回数:18 パーセンタイル:68.38(Chemistry, Multidisciplinary)一般的な4原子系引き抜き反応、AB+CDA+BCDについて、近似的な量子反応性散乱理論を開発した。この近似理論を用いて、具体的な反応、H+CNH+HCNの反応確率を計算した。ポテンシャルエネルギー曲面として、ab initio分子軌道計算に基づく半経験的な関数を用いた。この理論の特徴は化学反応における立体効果を定量的に見積もることができることである。得られた結果を古典的トラジェクトリー法による結果と比較したところ、定性的な一致を得た。また、反応に及ぼす振動モードの励起の影響についても検討した。